相棒
入学式を終えた翌日。
今日から魔術兵士育成学校での学生生活が始まる。
めざまし時計をセットした予定通りの時間に見事反応できた俺はパジャマのまんま、引越しの際に知り合いの大人からありがたく頂いた惣菜で簡単な朝飯を作って食べる。
で、学校へいく準備のために制服きたり顔洗ったりの朝支度というなんの変哲もない朝支度を終えて学校へ向かった。
結局、あの後は疲れ果ててまともな飯も食ってなかった気がする。覚えていることと言えば鉛みたいに重かった身体をベッドになだれ込ませ眠ってしまったこと。それと、隣の部屋から何やら様々な荷物を移動させ、
昨日と同じ、距離がバカみたいにある廊下を歩いて教室にたどり着けば今日の一番乗りはどうやら俺のようだった。
学校付近にあるマンションだし当然かと思い、机に向かおうとした時、俺はあることに気づく。
教室の黒板と、教卓にいつの間にかいた…なんかペンギンが腹滑りした体勢を保ったみてえな変な生き物だった。いや、正確には魔物だろう。
まあ魔術師とか魔物が住んでる世界なんだからこんな奴珍しくもなんともないんだが、初めて見る魔物だった。
「お前、どっから入ってきた?」
「きゅっ!」
「………」
多分、ペンギンみたいな魔物は俺の声に反応するや否や小さい手をパタパタ動かすと返事をするかのように鳴いた。当然だが俺には何を言ってるのかさっぱりなんだが。
窓には開けた形跡も割った形跡も残ってない、故意にここにいたってことは誰かしらが用意したモンなんだろうコイツは。
教卓の方へ近づくと、あろうことかそいつは俺のところに擦り寄ってシャツを軽く噛んで引っ張った。
「きゅっ、きゅっ!」
「あ?なんだよ…ん?」
ただ引っ張っていたわけではないらしいそいつは、黒板の方向へ俺を注目させるようにアピールしていたらしい。そういえばコイツの印象が強くて黒板の存在を忘れていたな…と思い出しそっちへ目を向けると、こんなことが書かれていた。
【朝、教室へ入ってきた者たちは供託の箱魔物からくじをもらうこと。
本日のHR時に、くじ番号で3年間共に活動を行う各自のペア決めを行う。尚、くじは頭をなでれば受け取ることができる】
「箱魔物って…要はお前くじ箱かよ」
「きゅー♪」
箱魔物はぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねた。普通の女の子はこんな生き物を一般的には可愛いというのだろうか。
なんでもいいやと思い俺はその箱魔物の頭に手を伸ばして、摩る。こ…こんなんでいいのか?と思ったのも束の間。
さっきまでの嬉しそうな様子はどこに行ったのか、箱魔物はブルブルと震えだしたかと思うと苦しそうにもがきだした。
「きゅっ…ぐぎゅぅう…ぎゅうぅぅぅぅぅう…ッ!!!!」
「え?ちょ、どうしたんだよ!?頭なでればいいんじゃねえのか!?」
箱魔物は甲高い声から苦しそうな唸り声でなんだか嗚咽をつき始めた。
やばい…俺なんか間違えたのか…?
黒豆みたいにキラキラした目玉が、頭をさすった時から血走り始めて可愛さが一転している。
とりあえずどうにかしないと、と思ってこいつを抱きかかえて保健室まで運ぼうとしたその時…
「おぼぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ…」
「………………え?」
吐いた、こいつ。吐きやがった。俺の腕ん中で。
具体的に描写したくないけど、ペンギンが大好物のオキアミがなんかピチピチ動いてるのとか出てきた。え、やだ上着にくっついて気持ち悪い。
今日から魔術兵士育成学校での学生生活が始まる。
めざまし時計をセットした予定通りの時間に見事反応できた俺はパジャマのまんま、引越しの際に知り合いの大人からありがたく頂いた惣菜で簡単な朝飯を作って食べる。
で、学校へいく準備のために制服きたり顔洗ったりの朝支度というなんの変哲もない朝支度を終えて学校へ向かった。
結局、あの後は疲れ果ててまともな飯も食ってなかった気がする。覚えていることと言えば鉛みたいに重かった身体をベッドになだれ込ませ眠ってしまったこと。それと、隣の部屋から何やら様々な荷物を移動させ、
昨日と同じ、距離がバカみたいにある廊下を歩いて教室にたどり着けば今日の一番乗りはどうやら俺のようだった。
学校付近にあるマンションだし当然かと思い、机に向かおうとした時、俺はあることに気づく。
教室の黒板と、教卓にいつの間にかいた…なんかペンギンが腹滑りした体勢を保ったみてえな変な生き物だった。いや、正確には魔物だろう。
まあ魔術師とか魔物が住んでる世界なんだからこんな奴珍しくもなんともないんだが、初めて見る魔物だった。
「お前、どっから入ってきた?」
「きゅっ!」
「………」
多分、ペンギンみたいな魔物は俺の声に反応するや否や小さい手をパタパタ動かすと返事をするかのように鳴いた。当然だが俺には何を言ってるのかさっぱりなんだが。
窓には開けた形跡も割った形跡も残ってない、故意にここにいたってことは誰かしらが用意したモンなんだろうコイツは。
教卓の方へ近づくと、あろうことかそいつは俺のところに擦り寄ってシャツを軽く噛んで引っ張った。
「きゅっ、きゅっ!」
「あ?なんだよ…ん?」
ただ引っ張っていたわけではないらしいそいつは、黒板の方向へ俺を注目させるようにアピールしていたらしい。そういえばコイツの印象が強くて黒板の存在を忘れていたな…と思い出しそっちへ目を向けると、こんなことが書かれていた。
【朝、教室へ入ってきた者たちは供託の箱魔物からくじをもらうこと。
本日のHR時に、くじ番号で3年間共に活動を行う各自のペア決めを行う。尚、くじは頭をなでれば受け取ることができる】
「箱魔物って…要はお前くじ箱かよ」
「きゅー♪」
箱魔物はぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねた。普通の女の子はこんな生き物を一般的には可愛いというのだろうか。
なんでもいいやと思い俺はその箱魔物の頭に手を伸ばして、摩る。こ…こんなんでいいのか?と思ったのも束の間。
さっきまでの嬉しそうな様子はどこに行ったのか、箱魔物はブルブルと震えだしたかと思うと苦しそうにもがきだした。
「きゅっ…ぐぎゅぅう…ぎゅうぅぅぅぅぅう…ッ!!!!」
「え?ちょ、どうしたんだよ!?頭なでればいいんじゃねえのか!?」
箱魔物は甲高い声から苦しそうな唸り声でなんだか嗚咽をつき始めた。
やばい…俺なんか間違えたのか…?
黒豆みたいにキラキラした目玉が、頭をさすった時から血走り始めて可愛さが一転している。
とりあえずどうにかしないと、と思ってこいつを抱きかかえて保健室まで運ぼうとしたその時…
「おぼぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ…」
「………………え?」
吐いた、こいつ。吐きやがった。俺の腕ん中で。
具体的に描写したくないけど、ペンギンが大好物のオキアミがなんかピチピチ動いてるのとか出てきた。え、やだ上着にくっついて気持ち悪い。